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花の色は移りにけりな いたづらに…小野小町の掛詞

 

六歌仙の歌合、歌詠みバトルで天女を奪い合う。漫画『詠う!平安京』の2巻は「在原業平 VS 小野小町」「紫式部 VS 清少納言」がおもしろいですね(^-^)

 

 

詠う!平安京 2巻 / 真柴真 

 

わたしも聞いたことがある和歌が登場。この歌を詠まれたのは小野小町だったのですね。「花の色は」の出だし、記憶の引き出しに入ってました。

 

花の色は移りにけりな いたづらに

わが身世にふる ながめせし間に

 

今回も技法解説がとても嬉しい。この歌に使われてる「掛詞(かけことば)」の技術が興味深いです。1語に2つの意味を持たせる技法で、「雨が降る(ふる)」と「年を経る(ふる)」、「眺め(ながめ)」と「長雨(ながめ)」に用いられてるとのこと。そして、「花」は隠喩で「桜」と「容貌」の意味が融合してるそうですね。

 

 

「ふる」と「ながめ」は縁語

「いたづらに」は無駄にむなしくという意味

 

初二句と四五句に掛かり意味を成す

しかも二句には倒置法!

 

詠う!平安京 2巻より

 

 

時間の経過で、失われていく美しさ。とても素敵な和歌ですね。「百夜通い(ももよがよい)」のエピソードも印象的で、ほんと勉強になってます☆

 

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2巻の後半は内裏後宮。紫式部、清少納言、とても有名な歌人が登場。お二人って仲が悪かったのでしょうか。険悪な雰囲気が印象的です。続きが気になるので先を急ぎたいけれど、一つ一つ和歌を堪能したい、心地よいジレンマに陥ってます(笑)