ピラニアを倍のサイズに育てた実験。生物巨大化の謎、カール・ボウ博士の研究がおもしろいです。なぜ、恐竜が巨大化したのか。酸素濃度が原因なのかもしれないという説。
ボー博士によると、高気圧・高酸素濃度の環境では、生物の細胞破壊が抑制され、活性化が保たれるという。その結果、生物は巨大化するという。事実、ボー博士は持論に基づき、太古の環境を再現した実験装置を開発し生物を巨大化させている。
通常、30センチほどしか育たないピラニアをこの装置で育てると、なんと65センチにも成長したのだ。
現在の地球、大気中の酸素濃度は21パーセントくらいに保たれているとのこと。白亜紀の酸素濃度は、琥珀の化石に閉じ込められた空気によると32~35%だったらしい。密閉されたときの状況にもよるそうですが、とても興味深いデータです。
当時と今の酸素濃度の検証、比較できるとしたら、生きた化石と呼ばれる魚類「シーラカンス」でしょうか。6500万年前に恐竜とともに絶滅した化石種。1938年に生存が確認された現生種。化石種と現生種の間で、形態的な差異がほとんどないそうです。
化石種では、最長は3メートルのサイズが発見されているとのこと。
また、復元された全長が3mに達する巨大な種も知られている。
現生種のサイズは、2メートルくらいみたいです。
体長は2メートル以上、体重90キロにまで成長する。
2倍とはいきませんが、1.5倍くらいの差はありますね。でも、サイズより気になったのは、脳の体積。頭蓋の容積に比べてとても小さいらしいです。
シーラカンスの小さな脳は、その頭骸腔の1.5%だけしか占めておらず、ほかは脂肪で占められている
つまり、元々は脳の大きさに比例したサイズだったシーラカンス。骨格だけが巨大化して、頭蓋がスカスカになったということも考えられそうですよね。容積に対して脳が1.5%とすると、本来は数センチくらいの小魚だった可能性もある?恐竜が大きくなったメカニズム、正解がわからない古代のミステリー。とてもおもしろいです。
恐竜巨大化の謎と重力増大 (ムー・スーパーミステリー・ブックス)
権藤正勝