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人付き合いの型は「お願いします」と「ありがとうございます」?

 

武道の稽古で学ぶ「型(かた)」。攻撃や防御、投げ技・極め技など、同じ動作を何度も繰り返す練習方法。組手では、攻防の流れを繰り返すことで、「間(距離)」と「間(拍子)」の感覚を蓄積。相手の呼吸(タイミング)を読み、適切な動作を迷わず選べる感性を磨く。日常の護身でとっさに動ける武術の身体感覚、考えなくても感じて動けるようになるための型稽古。

 

技術を習得、武術を身につける型。人と人、相対練習では挨拶にはじまり、挨拶に終わる。毎回必ず「お願いします」と「ありがとうございます」の礼がある。最初、稽古がはじまる時にも「お願いします」があって、稽古が終わるときにも「ありがとうございます」がある。一度言ったからOKではなくて、何度も言う。自分から積極的に言う。

 

礼儀と礼節。初対面の人とお会いしたとき、何を話したらよいのかドキドキ、どう接したらよいのかドギマギ。でも、最初は「お願いします」の気持ちであいさつすることが社会の「型」なのだと感じると、緊張や気負いがちょっと軽減されますね。何をしたらいいのかわかるから、迷わない。毎回お会いするたびにきちんとあいさつ。

 

「おはようございます」

「こんにちは」

「よろしくお願いします」

「よいお天気ですね」

 

口から発する言葉はいろいろでも、心の中は「お願いします」の気持ち。人と接するときの「型」なのですね。はじめは「言葉」だけの繰り返しでも、繰り返してると「感情」もそうなってくる。「お願いします」の気持ち、「ありがとうございます」の気持ち。日常だと恥ずかしくて言えなくても、武道の道場ですと「そういう場所」と思って、大きな声で言える子供たち。

 

武道だけでなく野球やサッカーも、スポーツでなくてもなんでも同じ。「お願いします」と「ありがとうございます」の二つが学べる場所ってたくさんありますね。声にだすから、気持ちが変わる。好きなことだと素直に受け入れる。家族には恥ずかしくて「おはよう」「ありがとう」が言えないお子さんもいらっしゃいますもんね。

 

さいご、お別れするときは「ありがとう」の気持ち。感謝の気持ちで「さようなら」「失礼いたします」が言えると、とても心地よい感じがします。次にお会いできるのが楽しみになる。そのときそのときが一期一会で、「お願いします」にはじまって「ありがとうございます」で出会いが完結。人付き合いの型…「鬼滅の刃」っぽく表現すると「ご縁の呼吸」といった感じでしょうか。型で学んでいるのは、相手を受け入れて対応する心なのかも。

 

型通りは堅苦しいものではなくて、

生き方を楽にしてくれる先人の知恵なのですね。