遠足や校外学習で楽しい「おやつの時間」。お弁当とは別に持っていける「おやつ」にはルールがあって、いくら分までOKか上限が決まってる。バナナはおやつなのか、お弁当なのか。それによっておやつの数が変わる問題。タイトルに惹かれてお取り寄せした書籍。タイトルそのままどんぴしゃりで、どのような結論なのか気になりました。
先生!バナナはおやつに含まれますか?―法や契約書の読み方がわかるようになる本
中野友貴
「バナナ」はおやつかどうか、答えを教えてくれるものではなかったのですが、法律的に考えると、どんな解釈があるのか。裁判ではどのように対立するのか、とても興味深い内容です。言葉の意味や定義、ルールの趣旨、解釈次第でおやつにもデザートにもなる。訴訟すると、答弁ってこんな感じになるのですね。法的思考が身近な素材で学べておもしろい☆
今回の問題点は、ルールの中に書いてある「おやつ」とはいったいどういう意味であるのかという点です。
ルール
遠足に持って来ることができるおやつは、400円分まで。
A君は自分がバナナを持って来たことがこのルールに違反していないと考えています。一方で、Bさんは、A君の行為がこのルールに違反すると考えています。それぞれの言い分を通すには、自分にとって有利なように読み替えをしなければなりません。
先生!バナナはおやつに含まれますか?―法や契約書の読み方がわかるようになる本
ルールは、自分の都合の良いように解釈できてしまうのが印象的。自分の主張を通すために、意義を狭く考えたり、拡大解釈したりできてしまう。お互いが相手の解釈を「ずるい」と思ってる感じ。争いのタネって、こういうすれ違いなのだと実感しました。
1本だけの場合、バナナチップスの場合など、事例ごとに掘り下げられていて、先生を説得するための論拠がとても熱い。 こんな小学生がいたら嫌ですね(笑)
A君の見解は次のとおりです。
僕が持って来たバナナは、「おやつ」には含まれない。僕が持って来たバナナの性質を見てみると、1本のバナナは、僕たちの普段の給食でも出ることがある。また、朝食でバナナを食べるという人はクラスに30%いた。このため、バナナは食事の一環と捉えられているといえる。
先生!バナナはおやつに含まれますか?―法や契約書の読み方がわかるようになる本
ケースバイケースで変わる結論。正しい解釈は存在せず、正解がないのが法律問題。結局のところ「先生がOKしてくれるかどうか」ということ。友達(原告 or 被告)が納得しようとしまいと、先生(裁判官)に主張が通れば勝ちなのですね。とても論理的な「バナナのおやつ論争」の本でした(^-^)