ある王国の裁判のお話。闘技場で行われる裁き、罪人は2つの扉のうち1つを選ぶ。「謎の物語 (ちくまプリマーブックス)」に収録されている「女か虎か」が興味深いです。
1つは、凶暴な虎に食い殺される扉。
1つは、許されて美女と結婚する扉。
王女と恋仲になった家臣の若者が、王様の怒りで裁きを受けることになる。
王女は扉の答えを手に入れた。
でも、結婚することになる宮廷の美女を憎んでいた。
若者に教えたのはどちらの扉なのか。
そこで、この話の主眼は、「その扉から、虎があらわれたか、それとも女があらわれたか」ということになる。
(中略)
王女の合図は、一瞬のうちに伝えられた。しかし、それは、幾日幾夜の苦しい熟慮のはてに決定されたものである。
たずねられるだろうことは、王女にもはじめからわかっていたので、どう答えるか、心にきめていたのである。そして、なんの逡巡もなく、彼女は手をあげて、右側の扉を指したのであった。
愛してる若者が虎に食い殺されて死ぬのを選ぶのか。
自分とは別の女性、しかも憎んでる女性と結婚させるのか。
どちらの扉を指さしたのか、結末がとても気になります。
王女からすると、どちらを選んでも恋人を失う。
若者からすると、王女が自分の命を助けてくれると信じてますよね。
たとえ、他の女性と結婚することになったとしても助けてくれるはず。
この物語は謎のままなのがいい。
答えをださない結末がおもしろいですね(^-^)