ラテン語で7を表す言葉はseptem、8はocto、9はnovem、10はdecemである。蛸をオクトパスというのは、8本足であることから8を表すoctoという言葉にちなんでいる。
(中略)
なぜ、ズレたのだろうか。
実は最初、Septemberは7番目の月であった。ヌマ暦も最初の設定は、1月が現在の3月にあたるマルティウス(マルスの月)であった。11月がヤヌアリウス、12月がフェブラリウスだった。次にヌマ暦が改暦されると、1月をヤヌアリウス、2月をフェブラリウスにした。
(中略)
英語の7月はJulyで、これはユリウス、すなわちシーザーの名前がつけられている。8月はAugustで、シーザーを大叔父に持つ皇帝アウグストゥスにゆかりの名前がつけられている。
現在の暦に使われているそれぞれの月を表す言葉。カレンダーをよくよく見ていると、「10月なのに数字の8を意味するオクトなのはなぜ?」と疑問に感じますよね。
1月:January
2月:February
3月:March
4月:April
5月:May
6月:June
7月:July
8月:August
9月:September
10月:October
11月:November
12月:December
上記の本によりますと、7月~9月を意味していた言葉がそのまま9月~12月を表す単語としてずれていたというのが興味深い。ここで2ヶ月ずれているのは、自分の権力を示す手段として時のローマ皇帝が自分の名を付けていたからだそうな。でも、権力が弱かった皇帝は死んだ後に元の呼び方に戻されたとか。裏設定を知ると英語って面白いですね。
ちなみに、1月~6月はローマ神話に登場する神様(女神)の名前らしいですね。
1月:ヤヌス(門を守る神)
2月:フェブルウス(贖罪の神)
3月:マルス(軍神)
4月:女神アプロディーテ(美と豊穣な収穫の女神)
5月:女神マイア(マイウス・農産物豊穣の女神)
6月:女神ユノー(最高位の女神・結婚を司る)
6月を意味する英語Juneは、ローマ神話の最高位の女神ユノー(Juno)が由来。調べてみると、結婚を司り、女性の権利を守る神様だそうですね。6月の花嫁・6月の結婚式で幸せになれるという“ジューンブライド”は、女神の加護がある月だからという理由に納得☆
作者: 柳谷晃 (著)