honn blog Diary

watching reading shopping

洋画の日本語吹替えに違和感を感じない不思議…視覚(口パク)が聴覚(音認識)に影響を及ぼす“マガーク効果”?

 

 

 

ただ、聴覚よりも視覚が重要だと言われるのには、それなりの理由もあるのです。その根拠となっているのが、「マガーク効果」と呼ばれる現象です。


次のビデオを見て、この人が何と言っているか聞きとってください。


(中略)


これは、視覚情報と音が矛盾しているときには、視覚を優先する傾向が強いということを意味しています。


つまり、「バ」というときは必ず口を閉じますが、「ガ」というときには口を閉じない。そういう発声の制約を目で見て、脳が無意識のうちに判断してしまうのです。

 

 

空耳の科学 ~だまされる耳、聞き分ける脳~ 

 

 

 

 

「バ」の発音(口)で「ガ」を発声している映像を見る…すると、見た人は「バ」と言っていると勘違いするという実験。目を瞑って聴くと皆「ガ」だと簡単に認識しているのが興味深いです。


とすると、もともと英語の洋画を日本語吹替えで見て全然違和感を感じないのは、口の形とセリフがちゃんと当て入るからということでしょうか。


口の動きと言葉の数がピッタリ合っていたりすると、本当に日本語で話しているようにすら感じますもんね。違和感を感じさせない(気にならない)映画と出会うと、本編以上に翻訳のすばらしさに感動してます☆


「目は口ほどに物を言う」といいますが、「目は口の形で音を感じる」とも言えそうですね。人間は、知らず知らずに口の形を認識しているいうのが興味深いです。「マガーク効果」という言葉も初めて知りました(^-^)

 

追記:口元(唇)の動きを見て言葉を読み取る“読唇術”は、音を推測する能力がかなり高い状態?

 

 

 

 

 

空耳の科学 ~だまされる耳、聞き分ける脳~ 

作者: 柏野牧夫
出版社/メーカー: ヤマハミュージックメディア
発売日: 2012/02/10
メディア: 単行本
asin:4636859979

 

 

 

 

 もくじ


第1章 聴覚の研究に至るまで―古典と歌謡曲と電気工作が好きな少年
第2章 百聞は一見に如かず?―聴覚よりも視覚のほうが大事という誤解
第3章 耳の良さにはいろいろある?―絶対音感があると耳がいい?
第4章 音とは何か―音の高さや音色はどうして生まれる?
第5章 聞こえている音は、すべて空耳!?―空耳に任せておけば、たいがいうまくいく
第6章 聴覚システムのすべて―耳から脳へ、脳から耳へ
第7章 できることはよくわかる?―脳は自分でできることをイメージして音を聞く
第8章 なぜ、音に感動するのか―なじみのあるものと新しいものの狭間にあるもの


あとがきにかえて 田井中麻都佳