honn blog Diary

watching reading shopping

映画 100,000年後の安全 / T・アイカス 田口トモロヲ

 

内容は、フィンランドにある核廃棄物最終処理施設“オンカロ”の映像と、関係者さんのコメントで、とても興味深い映像資料です。

 

 

100,000年後の安全 [DVD] 

出演: T・アイカス, C・R・ブロケンハイム, M・イェンセン, B・ルンドクヴィスト, W・パイレ
監督: マイケル・マドセン
吹き替え(声の出演):田口トモロヲ・嶋口麻美
[asin:B005Y375CY]

 

放射線の危険・人体への悪影響を認識した上で原子力に頼らざるをえない人類。廃棄物が無害になるには10万年かかり、処分する方法は埋めることしかできない。ならば、もっとも安全に埋めるオンカロは最善の選択。


そして、人間が管理しなくても良い自己完結型のオンカロは、2100年に閉鎖して完全に埋め、元の自然に戻す計画とのこと。


でも、問題となるのが「もしも数百年、数千年、数万年後の人類が“オンカロ”を見つけてしまったらどうなるか?」…核廃棄物の問題は、後世に生きている人間への伝承・コミュニケーションの可否にある。


現在の文明・文化、言語がこのまま残っているのかどうか。文明は進化しているのか、退化しているのか。まったく想像もできない未来。イラストや文章で“危険”を示して近づかないようにさせられるか、逆に、好奇心で発掘させてしまうことになるか(現在の考古学者が遺跡を発掘してしまうように。)。


10万年前を遡ってネアンデルタール人には理解してもらえないの同様、10万年後の人類に伝わらないであろう、という例が印象的でした。


今から14000年前で縄文時代ですから、数万年後にはどんな変化をしているのでしょうね。現在の文明の上に文明が上書きされていくのか、それとも化石燃料、ウランやプルトニウムといったエネルギー資源をすべて使い果たして滅び、新たな文明が誕生しているのか。


皮肉なことに、10万年後まで確実に残っていると確信できるのは核廃棄物だけなんですね。原子力による発電を賛成するにしろ、反対するにしろ、まずこうした事実をまず認識することが大切だと感じました。