のび太くんが家出をして、無人島で10年過ごすことになるお話。小さい頃に読んでとても印象的だったので、また読み返してみたいと思い、掲載されている傑作選をお取り寄せしました。
無人島から出られなくなって、1週間、1か月、1年、そして10年…時間経過の描写はたった1ページで4コマ漫画のように淡々と描かれていますね。同じ場所、同じ姿勢、のび太くんの絵だけが大人に変化していく。シンプルなのですが、とても心に刺さる1ページ。
孤独な無人島で、どんな10年を過ごしたのか、逆に想像が膨らむ。さいとうたかを先生の『サバイバル』を読んでいるからか、描かれていない隙間を脳内で勝手に埋めている感じでしょうか。とても感慨深いです。
なぜ、10年も発見が遅れたのか…。今、考えると、その原因は、ラストシーンで大人になった「のび太」くんがタイムマシーンで家出した時代に帰り、タイムふろしきで元に戻ってしまうことにあるのかも?のび太くんが、いなくなってないので、そもそもいないことが分からないですもんね。
ドラえもん (0点&家出編) (小学館コロコロ文庫デラックス―ドラえもんテーマ別傑作選)
作者: 藤子・F・不二雄
出版社/メーカー: 小学館
発売日: 2000/11/01
メディア: 文庫
もくじ
一生に一度は百点を
ゆめの町、ノビタランド
テストにアンキパン
ぼくを、ぼくの先生に
アパートの木
七時に何かがおこる
無人島へ家出
ナイヘヤドア
ぼくよりダメなやつがきた
設計紙で秘密基地を!
忘れ物おくりとどけ機
な、なんと!!のび太が百点をとった!!
タイムカプセル
のび太の地底国
やどり木で楽しく家出
のび太も天才になれる?
オンボロ旅館をたて直せ
ガッコー仮面登場
神様ごっこ
サカユメンでいい夢みよう
のび太の息子が家出した
ふきかえ糸電話
かくれん棒
ブラック・ホワイトホールペン
のび太の0点脱出作戦
<解説>大好き!ドラえもん 小泉美明