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合気の原理は「足して十」とする鬼一法眼の術理?

 

技は調和で完成する。塩田剛三さんが語る合気の理合、「鬼一法眼(きいちほうげん)」のくだりがおもしろいです。「鬼一法眼」さんは、京八流という剣術の開祖で、鞍馬寺にお社がある伝説の人物。幼少の源義経(牛若丸)に剣術を教えたとされる天狗、とも言われてますね。

 

 

鬼一法眼という有名な武芸者は

 

「来たらば迎え、去らば送る。対すれば和す。五、五は十なり。二、八は十なり。一、九も十なり。すなわち、これをもってすべてを和すべし」と説いたが、これこそ合気の真髄であり、(以下略)

 

 大きい奴を倒す合気道 (1977年) (ワニの豆本)

 

 

合気道養神館の初代館長、塩田剛三さん。一番強い技は「自分を殺しに来た相手と友達になること」という言葉を残されてる武術の達人。合気の極意は、相手の力と和すること。敵の殺意と和すること。調和の武術を体現された著名な武術家。漫画「刃牙」シリーズに登場する「渋川剛気」のモデルとしても有名なお方ですね。

 

相手が5なら、自分も5

相手が2なら、自分は8

相手が9なら、自分は1

 

力の総和、足して10になるように「気」を合わせるのが合気。気とは「器(はたらき)」であり、「機(タイミング)」であり、総合的に自他をコントロールする「気(心の状態)」であり、様々なイメージを含んだ言葉。「間(間合)」と「間(拍子)」を合わせ、適切な力の配分で技を仕掛ける口伝。

 

相手が10で、自分も10だから

筋肉を鍛えても、技が掛からない。

 

相手が5なのに、自分が10だから

形を覚えても、技が使えない。

 

相手を無視して全力だしても空回り。能力への固執、相手への恐怖、勝利への焦り。原因は心。自分の心が変われば、技が変わる。型では学べないメンタル要素がおもしろいですね。

 

 

 大きい奴を倒す合気道 (1977年) (ワニの豆本)

 塩田剛三