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負けたいのに負けられない / 全日本じゃんけんトーナメント

 

不運な人生だったはずの中学生・木村彰一。姉が勝手に応募したじゃんけん大会でどんどん勝ち進んでしまう。視聴率70パーセント(7700万人)の大舞台にプレッシャーを感じる彰一くん。勝負事は嫌いで負けたいのに負けられない。運がなかったはずなのになぜ?運だけが支配するじゃんけんに勝利のロジックが存在する?


出場者「木村彰一」と全日本じゃんけん大会の主催者「L(エル)」。二つの視点で交互にお話が進む物語。


一番の驚きは、じゃんけん大会だけで文庫本285ページの小説になっていること。出場者たちの対決&心理描写、主催者の裏工作を通して、著者さんはじゃんけんで人生を代弁しようとしている感じがしますね。「神様はサイコロをふらない。結果を知っているから」といったセリフなど興味深い言葉が多かったです。


「負けたいのに負けられない」という紹介文が気になって読んだのですが、最後まで展開が読めない面白いお話でした。

 

 

 

全日本じゃんけんトーナメント 

清涼院流水