honn blog Diary

watching reading shopping

「弱くても勝てます」―開成高校野球部のセオリー / 高橋秀実

 

ないものねだりをしない。
あれもこれもと欲張らない。

 

強い野球チーム、強豪校の野球部のイメージ。「走ってよし、打ってよし、守ってよし」の走攻守が完璧なものだと思ってました。でも、この学校の監督の勝利の方程式はまったく違ったもので、チームのあり方、練習方法など、スポーツトレーニングの考え方が変わりますね。

 

「弱くても勝てます」―開成高校野球部のセオリー

高橋秀実


苦手な守備を捨てて、勝利の確率と練習の効率をあげるために攻撃(打撃・バッティング)に専念する。10点取られても、15点を得点できる選手に育てるという課題設定がおもしろい。

個々人の守備力(キャッチの技術)が求められる場面はそうそうないと、切り捨てる判断が凄いですね。エラーも計算のうちなので、ミスしても動揺が少ないというメリット。そして、弱点である“エラー”を相手の油断をさそう武器として強味に換える発想が印象的です。

甲子園常連の高校野球部に対して「彼らは小学生の頃からジュニアチームで活躍していた子供たちを集めて、専用グランドなどがととのった環境で毎日練習している。ある意味、異常な世界なんです」と述べる青木秀憲監督。

“グランドが週に1回しか使えない”というマイナスをプラスに転換。条件・環境がそろっていないと強くなれない、試合に勝てないなんてことはない。与えられた情況の中でできることがたくさんある。制限を強みに変える、発想の転換を実感できる具体例、興味深い内容でした。