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皮膚感覚で相手の動きを感じる「聴勁(ちょうけい)」…『柔と拳と道』より

 

 

 


「聴勁」


この聴というのは、全身の皮膚感覚をいうのである。そうして通常の耳を以て聴くのとは異なる。


先ず沾粘勁を練りある程度に達して初めて聴勁を悟ることができるのである。敵の動作変化を相手と交手している時の皮膚感覚で触知するのである。

 

 

 柔と拳と道

 

 

 

 

人間の筋肉は重みを察知するセンサーで、バネ計天秤のバネのような役割を果たしているそうで、筋肉は重みを感じる感覚器官でもあるという話を聞いたことがあります。

 


この感覚を養うための鍛錬方法のひとつに、太極拳の“推手(すいしゅ)”と呼ばれるトレーニング技法があり、向かい合った二人の人間がお互いの右腕(左腕)同士の手首を接触させた状態で、互いに押したり引いたりして、体重移動(重み)の力を感じるというものもありますね。

 


この感覚稽古に慣れてくると、目隠し(視覚を封印)をして目が見えない状態でも、相手の動き認識することができるそうです。最終的には、相手と触れ合っていなくても、見た目で何となく動き(重心位置の変化)感じとれるようになるらしい。

 


ちなみに、「沾粘勁」は、上記引用書籍の解説によりますと、「糊でねばりつけたように離れないこと」とありました。相手に触れた状態から過不足無く圧力(重み)を維持する皮膚感覚がポイントみたいですね。

 

 

 

柔と拳と道

作者:佐藤金兵衛 (著)

asin:9784583034355