村山隆治さんの本。「打ち歩詰めの形」の4つめ「不成の効用」のページ、「打ち歩詰めには不成(ならず)」という言葉が興味深いです。
「打ち歩詰めには不成」という鉄則があるほどによく慣用される手筋だが、これは前もって勢力の削減を計った手と判断ができる。
当然に成れるところを成らないで不利感承知のマイナス思考で使用する。感覚の盲点を衝いた手でもある。
打ち歩詰めを回避するための手筋。せっかく成れるのにあえて成らない。と金、龍、馬、成ることで強い駒に昇格、良いことづくめでデメリットなどないですよね。
成って当然、成らないのはもったいないと思ってましたから、成らないメリットがあるのだと勉強になりました☆
不成を活用した詰将棋。盤上の「飛車」と「角」、持ち駒の「歩」だけのシンプルな三手詰。何も考えず、普通に打ったら、打ち歩詰め王手で反則負けになりますね。こういった手は、知らないと打てない。手筋の大切さを実感しました。対局中、この手に気づいて打てたら、心臓がドキドキしそうなワクワクする一手ですね(^-^)
村山隆治
手筋の意味、詰将棋の意図、考え方が理論的にわかりやすく学べて、とてもおもしろい本。目次を見ただけで心踊る感じ、詰将棋の基礎が詰まってますね。
とくに、「ソッポの形」の章、「ソッポの手筋=限定移動の手筋」のくだり、相手の王様から遠ざかる手筋が印象的でした。
ソッポの形の目的は「拠点の占有」であり、具体的に言うと、
1 打ち歩詰めの回避
2 逃げ道の封鎖
3 ジャマ駒の消去
4 合駒の強要
に細分される。
この目的に使用される駒を調査したところ、トップは金で約40%、次は龍で約31%、以下銀が約15%となっている。
特殊な開き王手の手筋、詰み筋がとても鮮やか。将棋は動くパズルですね、解答の美しさを感じました。
上記の三手詰、解答も掲載しますね。
「△3三飛不成、▲2一玉、△2二歩、▲同玉、△2三飛成」
△が先手、▲が後手です。
何度解いても気持ちよい手筋、パソコン保存して良かったです☆