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魚を与えるよりも、釣り方を教える老子の言葉「授人以魚 不如授人以漁」

 

自分で魚を釣らず、魚の釣り方を教えるという老子の教え。以前、餓死寸前のライオンが、肉(食料)ではなく、狩りの仕方(知恵)を神様からもらうという話を読んだことがありますが、立ち位置(与える側か、もらう側か)が違うだけで伝えたいメッセージは同じ感じですね。

 

 

中国の老子は「授人以魚 不如授人以漁」と言いました。

 

「飢えている人に魚をとってあげれば、一日は食べられるけれど、魚のとり方を教えれば、彼は一生食べることができる」という意味です。

 

魚をとってあげることは、誰かのためにやっているので一見、利他的に見えます。しかし、実は利己的なのです。

 

なぜなら、魚をとってあげた相手はあなたがいないと食べていけないからです。魚をとってあげたことで、とった本人は気持ちがいいですが、とってもらった人は、長い目で見ると実は損をしています。

 

自分でやった方が早い病 (星海社新書)

 

 

伝えること、管理することに手間をかけるよりも、自分で結果を出した方が早いという気持ちありますよね。

 

組織全体の成長のためには、一人(個人)が魚を釣り上げ続けるよりも(結果出すよりも)、面倒なことが増えるとしても、チーム全体が釣れるように釣り方を共有することが大切という話、とても興味深いです。

 

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人にお願いできない人がいる一方、逆に、仕事丸投げで説明不足なのに、失敗したら全て相手が悪い(力量やレベルを無視して過剰な期待)と、他人のせいにして怒ってばかり、他人任せで楽をしている人もいる。

 

自分で魚を釣らず、教えて、釣り上げるのを見守れる人。自分で魚を釣って自己満足して、釣り方を教えない人。自分で魚を釣らず、しかも釣り方を教えない人。親と子、上司と部下、先生と生徒などなど、いろんな関係に当てはまりそうですね。

 

用意した「正解」を答えさせるという点での学校教育。魚の釣り方を教えているようでいて、実は魚を与えているのかも?とも感じました。

 

本のタイトル「自分でやった方が早い病」に共感。誰か別の人にお願いするよりも、自分でやってしまった方が楽に感じますもんね。説明することが億劫。期待している結果がでるか不安。

 

つまり、他者の行動や力量を信用していない。口を出し過ぎたり、手助けしすぎを我慢できない。良くいえば「責任感が強い人」で、悪くいえば「自分本位な人」。そんな自分を認識させてくれる本ですね。

 

自分でやってしまう人は、結果を出しても、組織の中で評価(出世)につながらなず、損をしているという内容が印象的でした。

 

 

 

自分でやった方が早い病 (星海社新書)

小倉広