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強制と反発、ウサギにツノを求めてる?

 

とやかく言われたくない、の「とやかく」という文言。「あれこれ」という意味で「兎や角」と書くそうですね。由来は、仏教の言葉にある「兎角亀毛(とかくきもう)」が元になってるらしいですね。

 

兎に角(とにかく) - 語源由来辞典

 

兎(うさぎ)に角はないし、亀には毛がない。この世に存在しない、実在しない物事のたとえとのこと。意味での関連性はなくて、発音の響きを拝借して「とにかく」という言葉に漢字を当て字したそうですね。

 

「あれやこれや」というニュアンスで「兎や角」になったのですね。夏目漱石さんが多様して広まったというエピソードが興味深いです。なぜ「兎」の漢字なのか気になって調べました。

 

人と人、二人の人間が出会うと、発言の力関係が生まれますよね。できてる(と思ってる)人が、できてない(と思う)人に「とやかく」言いたくなる。「言う」と「言われる」の関係性。そこにあるのは「期待」と「依存」のパワーバランス。

 

言う側の「期待」

言われる側の「依存」

 

夫と妻、親と子、大人と子供、先生と生徒、上司と部下、先輩と後輩、などなど。

 

できるようになって欲しいと思う「期待」

この人に嫌われたくないという「依存」

 

「期待度=依存度」で成立。依存度が上がり下がりすることで、受け入れたり反発したり。依存度の変わり目、顕著なのが思春期ですよね。ネットの記事が印象的でした。

 

 

毎日毎日子どもに勉強することを強制し、やっているかどうか管理しているママさんがいました。そのママさんの口癖は「この子は言わないとやらないので、私が管理しないといけないのです」と。

 

やがて、子どもが大きくなり中学生になって思春期・反抗期に入りました。すると、親の強制に反発していきます。それでもそのママさん、“頑張り”ました。そして頑張れば頑張るほどお互いつらくなっていきます。そのうち親も疲れ果てて、子どもを自分の枠に入れることを諦めたのです。すると、子どもは自主的にやるようになっていったのです

 

反抗期の子に悩む親が知らない「最後の手段」 | ぐんぐん伸びる子は何が違うのか? | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

 

家族よりも友人。家庭よりも学校や職場。自我と自立。「身内」よりも「他人」に認めてもらいたくなる時期ですね。何でもイヤイヤ、赤ちゃんのイヤイヤ期は予行練習?

 

正しいこと、よかれと思って指摘する。正しくても、よかれでも言われたくない。言う側は、言われないとやらないから、言いたくなる。言われる側は、面倒だったり、気乗りしなかったりで、ただただ言われたくない。

 

強制と反発。先日読んだ本がおもしろかったです。自分の「正しい」を押し付けても、相手は変わらない。「自発的になされた行動にのみ最大の満足を見い出す」のが心理らしいですね。

 

 

人を説得するということは、最終的には相手の行動の上での変容を期待するということであるが、効果的に説得する人は決して相手を強制しない。

 

彼は、相手を受容し、相手の要求を満足させ、相手が自ら変わりたくなるのを待つのである。猫でさえも追えば逃げるが、追わなければ向こうから膝の上に乗ってくる。

 

説得を科学する

 

 

追われれば、逃げたくなる。逃げられると、追いたくなる。言われると逃げたくなって反発する。言われないと寂しくなってすり寄る。

 

包容力があると人に甘える。あるがままを受け入れてくれる人、依存させてくれる人の言葉なら、聴く耳を持つといった感じでしょうか。要求やお願い、こちらを受け入れてもらうには、まずは相手を受け入れること。自分の期待度を下げるだけで、相手の依存度と釣り合いがとれるのだと勉強になりました。

 

旅人の服を脱がせた太陽、脱がせなかった北風。イソップ寓話の「北風と太陽」のお話、「太陽」が良いと知っていても「北風」になりがち。相手からしたら無理難題。期待度マックス、ウサギに角は生えないのに、なんで角がないのと求めてる。意識してブレーキを踏まないと、自然と「とやかく」言ってしまいますね(^^;

 

 

 

説得を科学する 

榊博文