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藤原佐為が消える15巻、喪失感がツライ

 

漫画 ヒカルの碁、「本因坊秀作が現代に蘇ったら最強?」というテーマがおもしろいですね。とくに「藤原佐為(ふじわらのさい)」、囲碁の未練で成仏できない幽霊が魅力的。小畑健さんの描くキャラの中で一番好きなデザイン。凛々しい立ち居振る舞い、やわらかな物腰、ギャップ言動など、人柄が味わい深い。

 

 

 

陰陽師のようなカッコの囲碁棋士の霊。ヒカルは二人目、二度目の憑依。一度目の憑依では、本因坊秀作として活躍したという設定。憑依といっても、対話ができるだけの背後霊。何の能力もないけれど、めちゃくちゃ囲碁が強い。現代のプロ棋士相手に、ネット碁で無双する囲碁の亡霊。何度読んでも展開にワクワクします。

 

囲碁ブームのきっかけとなった漫画「ヒカルの碁」。囲碁の盤面描写は控えめで、主人公の少年「ヒカル」の成長が楽しめる物語。ヒカルと藤原佐為のコンビ、ずっと見ていたい関係性。なので、15巻、藤原佐為が成仏してしまう話がとても切ない。連載当時も感じた喪失感、再読してもやっぱり心に刺さりますね。何度読んでも、ここから読み続けるのがツラくなる。ここで最終話でもよいくらいのエピソード。

 

 

ヒカルの碁 15 (ジャンプコミックス) 

ほったゆみ, 小畑健

 

「神の一手」に近づきたい佐為。岡目八目で強くなるヒカル。自分が打ちたいヒカルは、佐為に打たせない。消えてしまって初めて気がつく。佐為の強さがわかるようになったヒカル。自分が打つよりも、誰もが佐為と打ちたいはずだと、囲碁を捨てる。喪失感からの挫折、続きを読みたいのに読みたくない。複雑な気持ちになる15巻ですね。