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食事をすると、タンパク質が入れ替わる?

 

食べたものが新しいタンパク質となって、古いタンパク質と入れ替わる。シェーンハイマーさんのネズミを使った検証実験のくだり。食べものが体の中でどうなるのかの追跡結果、とてもおもしろい。

 

 

ネズミに食べものを食べさせて、その食べものの分子がネズミの体の中に入ったあと、どこへ行き、どうなるかを追跡していったのです。

 

彼は同位体(アイソトープ)標識法という方法で元素に目印を付け、その元素を含むアミノ酸を作り、ネズミに三日間食べさせました。


最初はシェーンハイマー自身も、食べものは体内で燃やされて、何時間か、あるいは何日かあとに、目印を付けた元素を含む燃えかすが、呼吸や糞尿の中に排泄されると予想していました。


ところが実験の結果は、シェーンハイマーの予想を見事に裏切りました。目印を付けたアミノ酸は全身に飛び移り、その半分以上が、脳、筋肉、消化器官、骨、血管など、あらゆる組織や臓器を構成するタンパク質の一部となっていました。食べものは、ネズミの体の一部となって、その場に留まっていたのです。


しかし、その三日間で、ネズミの体重は増えていませんでした。

 

(中略)


このことから、食べものは体の中に入って、体の一部に変わるけど、もともとそこにあった分子は分解され、体の外に捨てられた、ということが考えられます。


(中略)


実際に、実験の次の段階で、目印を付けていない普通の食べものをそのネズミに与えると、今度は、その食べものがネズミの体の一部となり、その前にネズミの体の一部となっていた目印を付けた分子は、分解されて、排出されました。

 

 

生命と食 (岩波ブックレット)

 

 

食べるとタンパク質が入れ替わる、という結果にびっくりです。逆に、食べないと入れ替わらないということですもんね。食べないダイエットでの肌荒れ。栄養が足りてないだけでなくて、新しい皮膚への入れ替えができないから?毎日の食べもの、体をつくる材料になってるのですね。

 

 

 

生命と食 (岩波ブックレット)

福岡伸一