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オデッセイに感じる「葉隠」の覚悟

 

火星にたった一人、残されてしまった植物学者のワトニー。地球で救出プランを考えるNASA。映画「オデッセイ」を再視聴しました。地球と火星、惑星間のリモートが興味深いですね。植物学者の火星サバイバル生活にワクワク、遠隔でやりとりのNASAにドキドキな作品(^-^)

 

 

オデッセイ

 

植物学者のワトニー。絶望的な状況なのに、記録用カメラの前で明るく振る舞う姿が印象的。「火星でジャガイモ栽培してみた」的な動画、ネタとしての悪口、おどけての軽口、ユーチューバーさんのような感じでしょうか。映画なのですが、You tubeチャンネルをみてるような感覚もありますね。

 

一人でサバイバルというと、孤独で寡黙、話し相手がいないイメージ。生きるために必死で、生還するために深刻。余裕、ゆとり、ユーモアとは真逆の状況ですよね。でも、とても明るいサバイバル。そのギャップが好きなのだと思います。何度みてもおもしろい。何回みても飽きない。5回を越えても、まだまだ楽しいです☆

 

一人だけれど一人ではなくて、「いつも誰かに見られている」という意識で、常識的に生活。仮に死んだとしても、記録をみる誰かがいることを前提に映像を撮影。楽しませる気遣い、不快にならない気配り、宇宙飛行士さんの「覚悟」のようなものを感じました。ジタバタがドタバタにならないのは、常に死と隣り合わせな環境で、どうにもならない「死」を受けいれた上で、やれることをやってるお姿なのだと感じました。

 

葉隠という古書で有名な「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」という言葉。ワトニーのお姿、「覚悟」をもった生き方と重なりますね。

 

 

武士道の真髄は、死を受け入れることであると考える。

 

どちらかを決断しなければならないような場面では、死に直面するような難しい決断こそが正しいことが多いものだし、たとえ間違った決断を下しても、その時は死んでけじめをつけるだけである。細かいことに思い煩わされることなく、腹を決めて取り組みなさい。

 

(中略)

 

毎朝起きる時に自分はもう死んだものと思い、毎晩寝る時にもこれで自分は死ぬのだと考える。そうして常に死んでいるものと考えれば、武道を極め、仕事でも失敗することなく役割を果たすことが出来るようになるであろう

 

武士道とは死ぬことと見つけたり の意味が分かりません。本当に理解できている人はいるのでしょうか? - Quora

 

 

斬るということは、斬られることもある。斬られる覚悟があるからできる真剣勝負。生きるための最善が、死ぬ確率もあると知っている。さらにワトニーが素敵なのは、ゴエモンのような真面目すぎる覚悟ではなくて、ルパンのような飄々とした覚悟なところ。楽しく真剣で後悔がない。自分の選択に自信と確信、あたふたしない。勇気と元気がもらえる映画です(^-^)