ワインの消費量が多いフランスでは、虚血性心疾患の死亡率が低いというお話。イギリスよりもフランスの方が肉食が多いのに、狭心症や心筋梗塞などの心疾患はイギリスよりもフランスの方が少ない。「フレンチパラドックス(フランスの逆説)」と呼ばれる現象が興味深いです。
1979年、酒の効用についての画期的なデータが発表された。赤ワインには心臓病の予防効果があるというのである。
フランスではイギリスと比べて飽和脂肪酸(肉類に多く含まれ、悪玉コレステロールや中性脂肪を増やし、動脈硬化を引き起こす物質)の摂取量が多いにもかかわらず、心臓発作で亡くなる方が少ない。
これは葡萄の皮に含まれるポリフェノールが、血小板(血液を固める成分)の凝縮能を低下させて心筋梗塞を起こし難くする、と考えられ、これを‟フレンチパラドックス”と呼ぶ。
お肉には赤ワイン、お魚には白ワイン。食べ物と飲み物の組み合わせ、食事が美味しくいただけるだけではなかったのですね。お肉の悪いものを中和してくれる効果に驚きました。
「フレンチパラドックス」というネーミングがいいですね。お肉だけでなく、チーズやバターなど脂肪の摂取が多いフランスの食事習慣。ワインでポリフェノールを摂取することで緩和されてる。「ワイン」の効果というよりも「ポリフェノール」の効能なのですね。
ワインの酸味がちょっと苦手なので、他のアルコールではどうなのか調べてみました。
ビールが抗酸化力を発揮するのは、ビールの原料のひとつ、ホップに含まれるポリフェノール(キサントフモール)やビールの色素(メラノイジン)によるものです。ポリフェノールは植物成分です。実はビールに限らず、植物が原料となるお酒には、多かれ少なかれ抗酸化物質がふくまれています。
たとえばウイスキーには、ポリフェノールのエラグ酸(熟成中の樽のオーク材によるもの)。日本酒にはフェルラ酸。焼酎にも芋、そば、麦という原料の植物に由来するポリフェノールがたくさん含有されています。
焼酎はレモン、ライムなどの柑橘類で割れば、抗酸化力はさらにアップします。レモンやライムには、ポリフェノールのヘスペリジン、エリオシトリンが含まれているからです。
老けない人は何を飲んでいる? お酒とアンチエイジング | イエノミスタイル 家飲みを楽しむ人の情報サイト
レモンハイでもよいのですね。レモンの缶チューハイが好きで、愛飲しているので安心しました。そういえば、唐揚げにもレモンが付いてますね。
レモンには、腸での脂肪吸収を抑える働きがあるようです。レモンに含まれるエリオシトリン(ポリフェノールの一種)という成分によるためです。
だからレモンは、肥満や糖尿病予防に効果があるということなんです。また、脂質に対する抗酸化作用が強く、高血圧、動脈硬化など生活習慣病予防にも効果的だそうです。
レモンの酸味でさっぱりするくらいに思ってましたが、脂肪吸収を抑制してくれてたと知ってびっくりです。
森本昌宏