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塚原卜伝さんの師弟問答、何年で免許皆伝になれる?

 

新当流の開祖、剣豪の塚原卜伝さんに弟子入りした武芸者さんのお話。 剣術の道で一人前、免許皆伝になるためには一生懸命やって5年。もっと頑張ったら逆に10年かかると言われてしまう。頑張った方が時間がかかる、逆転現象が興味深いです。

 

 

その弟子が卜伝に尋ねます。

 

「先生、わたしは一生懸命稽古に打ち込みます。そうしたら何年で免許皆伝になれますか」

 

塚原卜伝は、「お前はなかなか筋がいいから、一生懸命やれば五年で免許皆伝になれる」と答えます。

 

その男は五年では不満だったのでしょうか。さらに尋ねます。

 

「それではわたしは、寝食を忘れて修業に打ち込みます。そうしたら何年で免許皆伝になりますか」


「十年で免許皆伝になる」

 

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お師匠様の言葉、意味や意図を理解できずに、問答はさらに続きます。「それでは死に物狂いで修業に打ち込みます。そうすると何年で免許皆伝になりますか」と質問。すると「一生、免許皆伝は無理だな」との返答。期待した答えがまったくもらえず困惑、ただただ戸惑うばかりのお弟子さん。

 

やればやるほど成果が上がる、上達が早まると考えての問答。半分の時間とはいかなくても、せめて5年が3年くらいには期間短縮して欲しいところですよね。早く強くなりたいから頑張りたい。熱心なほどに逆効果、頑張れば頑張るほどに時間が増えて、ゴールが遠のくのは疑問ですもんね。

 

これって、稽古で「技術の感覚」を習得するには、ある程度の時間が必要ということなのかも。休みなく連続してやりすぎると、感覚がマヒしてしまって、適正に感じられなくなるということなのかも。

 

例えば味覚、好きなカレーライスやラーメンを美味しいと感じても、三食、毎回同じものだと感動が鈍ってく。どんなに大好物であっても、毎日毎食ずっと食べ続けたら、同じ味に飽きてくる。食べてから次に口にするまでに時間を空けた方が美味しい。

 

そういえば、合気道さんの極意に「覚えて忘れる」という言葉があるそうですね。覚えて忘れて、忘れて覚えなおす。技の動き、手応え、練習で得た感覚を一度リセットするということでしょうか。

 

麒麟がくるの向井理さん。室町幕府第13代将軍 足利義輝の説明に「塚原卜伝にも師事したといわれる剣豪将軍」とありました。卜伝さんは室町時代の剣術家さんなのですね。PCエンジンのゲームソフト「天外魔境ZIRIA」で登場の剣豪ボクデン、自来也が教わる「ボクデン斬り」がとても懐かしい(^-^)

 

 

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