宮崎駿監督が描いた最初の「もののけ姫」。映画化を売りこむためのイメージボードで、着色がまばらなラフスケッチ。水彩画イラストの絵本のような感じですね。下描きっぽいタッチがとても味わい深い。
宮崎監督のあとがき「堂々めぐりの顛末」によりますと、「父にうとまれ、もっとも卑しい醜い者に嫁にやられる娘」という基本設定で、「美女と野獣」が翻案になっているとのこと。また、絵コンテ(ストーリーボード)とは別もの、「となりのトトロ」も一度ボツになったなど、制作秘話もおもしろい。
「モロの君」は山犬の神ですが、こちらの「もののけ」は大山猫。トトロのネコバスのようなお顔ですね。この物語のヒロインのお名前は「三の姫」で心優しい三女、三番目のお姫様でした。アシタカの許嫁「カヤ」に近いイメージ?
三の姫さん、映画のヒロイン「サン」の由来かも?調べてみたら、数字の「3」がそのまま「サン」になったそうで、びっくりです。ずっと、英語の「太陽(SUN)」が語源だと勝手に思ってました。
スタジオジブリ版の和製「美女と野獣」として、こちらの原案も映像化して欲しい。新しいタイトルを付けるとしたら「姫ともののけ」でしょうか。「かぐや姫の物語」のような水彩作画アニメーションで見たいです。