記憶術というのは「覚える方法ではなくて、思い出す方法がポイント」という話を聞いたことがあります。忘れているのではなく、思い出せないだけ。丸暗記するだけですと、思い出すきっかけ(とっかかり)がないから、頭に入っても出てこないそうですね。
この本で紹介されている事例、子供のお使いがわかりやすいです。
子どもに用事をいいつけるのに、「タバコとせっけんとインクとコンニャクとチョコレートを買ってきなさい」と並べていっただけでは、そのうち一つぐらいは忘れて帰ってくることがあります。それを、
「お父さんにはタバコを
お母さんにはせっけんを
おにいさんにはインクを
おねえさんにはコンニャクを
弟さんにはチョコレートを
買ってきなさい」といいつけると、案外忘れずにいるものです。
以上の原理を応用して、自分の身についている物や、現に見える物に結びつけて連想結合によって記憶する方法が、基礎結合法の原理です。
思い出すきっかけとして、忘れることのない身近なものを設定すること。それを思い出すだけで芋づる式に思い出すことができる感覚、ふだん何となく使ってますね。
作者: 渡辺剛彰
たとえばお買い物をするときに、五本の指のそれぞれに品物を当てはめて覚える方法。忘れても、どの指が何だったかというつながりで思い出しやすくなっているように感じます。