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新版 ザ・マインドマップ(R) / トニー・ブザン バリー・ブザン 近田美季子

 

「ノートの書き方」で成績が低下したというくだりが印象的でした。勉強熱心で理解力もある頭の良い子なのに、なぜか成績がどんどん悪くなる。成績が落ちていく一方で、「毎年、ノートをとることが上手くなっている」と自負されていたそうですね。

 

 

ニューヨークに住むある少女は、9歳のときは成績がAだった。ところが、10歳になる頃にはBになり、11歳のときはC、12歳のときは落第寸前のDまで成績が落ちてしまった。


(中略)


学校で成績を上げるには、もっとたくさん、もっと良いノートをとらなければいけないと、少女は思い込んでいた。「もっと良い」とは、彼女にとっては先生が言ったことを一語一句できるだけ書き取った、いわゆる「整然としたノート」のことだった。


(中略)


逐次的に書くことは、完璧な記憶の持ち主として知られるロシア人のシェレシェフスキーが、「忘れるために」意図的に使っていた方法である。

 

 

『新版 ザ・マインドマップ(R)』より

 

 

記憶術の達人で、天才的な記憶力を持っていたと言われる「ソロモン・シェレシェフスキー」さん。言葉をすべて書き記して綺麗なノートを作ることが「忘却術(忘れるための行為)」になっていたという話が興味深いです。


たしかに、覚えておかなくてはいけない事柄を言葉として手帳に書くと、「メモを見れば思い出す」という気持ちからか、頭や心に解放感(安心感)がありますもんね。書いたことで勉強したつもりになっている満足感(達成感)の正体は、こうした「安心感」の勘違いなのかも?頭脳には使い方があって、「結果が出ない間違った努力の仕方(手段)」があるのだと勉強になりました。

 

新版 ザ・マインドマップ(R)

作者: トニー・ブザン,バリー・ブザン,近田美季子

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