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紙で木を折る、割りばし袋で箸を折るコツ? / 大東流秘伝大鑑

 

割り箸袋で、割り箸を折る。重いものを軽く、軽いものを重く扱う。古流武術の身体技法がおもしろいです。

 

 

剣道には、その伎倆に於いて、その真髄に近まれば「重い竹刀を軽く使い熟し、軽い竹刀を重く使い熟せる」という教えがある。

 

大東流秘伝大鑑

 

 

刀やハンマーといった重い武器。素早く動かせるように軽くする。荷物パンパンのリュックを背負う、赤ちゃんを抱っこするように、得物の重みを体幹で支えるバランス技法。重いものを軽く扱う体術。

 

「割り箸袋」で「割り箸」を折るコツ。紙で木を破壊する剣術の教え。攻撃力は重さ。拳の重さは軽くても、体重を載せてパンチを重くする。甲冑の重量で当て身の威力をアップ、軽いものを重く扱う体術。

 

戦国時代、甲冑を着用していたことで生まれた「重さ」のコントロール。すぐに疲弊してしまう腕力に頼らずに、長時間でも戦える体幹の力に着目。古武術の身体運用、興味深いです。

 

 

大東流秘伝大鑑

著者:曽川和翁
出版社:八幡書店

 

 

漫画「バガボンド」に、木の小枝で雪だるまを斬るシーンが描写されていますね。宮本武蔵と佐々木小次郎が、木の枝で戯れる場面。枝の重さを感じて動く武術の理合。遊びの中に表現されている極意が印象的です。

 

 

 

バガボンド(24)(モーニングKC)

井上雄彦, 吉川英治