教員の過剰労働による過労死、顧問教諭の体罰による生徒の自殺など、学校のブラック部活動がニュースで報道されていますね。
先生の働き方の負担となっている部活の問題。強制ではないけれど、強制になっていること。サービス残業で、翌日の授業の準備も満足にできないこと。土日、祝日も部活動の練習や大会の引率で仕事を休めず、自分の子供、家族との時間が過ごせないこと。など、先生たちは大変なのだと痛感です。
本屋さんで見かけて購入した本で紹介されていたスポーツクラブのくだり。日本とアメリカの感覚の違いが印象的でした。
「日本のスポーツクラブでは、指導者が暴力を振るっても選手は文句を言わずに従っている。まったく信じられないことだ」。
さらに、
「日本の学校のスポーツクラブには、クラブの部員が何十人もいて、絶対に試合に出られないとわかっているのに、ただ練習だけをして何年も過ごす人がいる。彼らは何が楽しくてスポーツをしているのか、まったく理解できない」。
もしアメリカなら、どちらのケースでも選手は即刻、そのクラブを辞めてしまうとのこと。
試合に出ることもできないのに、辛い練習に耐える日々。「理不尽な指導に耐え続けるのは時間と体力の浪費」という部分を読んで、こどもたちは、本当に楽しいのかと疑問に感じさせられました。
なるほど、スポーツは運動を楽しむもので、試合で勝つためだけのものでも、練習をするだけのものでもないですもんね。選手に選ばれるのは数名。大きな大会に出られるチームは一握り。さらに優勝できるのは1つのチーム。
多くの敗者が生まれ、敗北感を感じて挫折を経験する子供たちの方が多いのだと感じました。ゲームとして、遊びとして、勝ったり負けたりを楽しめる時間であっても良いのかもしれないですね。
作者:永井 洋一 (著)