作者:高宮 暉峰 (著)
とめはねで、筆法練習の基礎として紹介されていた「永字八法」。詳しい資料がないかと本を探していて出会った書籍です。具体的に、どのような筆さばきなのか、八つの線がどんなものか、とても詳しい内容で大満足の一冊☆
「永」の字は書写の基本となる八つの点画をすべて備えており、また、その筆法がすべての文字に共通することから、「永」の字の八つの点画を「永字八法」と呼んでいるのです。
8つの点画には、筆順の順番で名前があって、
点の「側(そく)」
横画の「勒(ろく)」
縦画の「努(ど)」
ハネの「趯(てき)」
すくい上げの「策(さく)」
左ハライの「掠(りゃく)」
短い左ハライの「啄(たく)」
右ハライの「磔(たく)」
となっているそうですね。知らなかったこと、知りたかったことが網羅されていて嬉しいです。
とくに、印象的だったのは、『書聖と呼ばれる王義之は、十五年もの間ひたすら「永」の字を練習して八法の原理を体得し、それをすべての字に応用したといわれています』というくだり。
「永」の一文字を15年間も練習してようやくたどり着ける境地なのだと、驚かされました。