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ぼくのニセモノをつくるには / ヨシタケシンスケ

 

“ぼく”にはやることがたくさんある。宿題、お手伝い、お部屋のお掃除…やりたくないのに、やらなきゃいけない。もしも“ぼく”の偽者が全部やってくれたら…。


“ぼく”が、お小遣いを全部使ってロボットを1体購入するところから始まる絵本。家への帰り道、ロボットに“ぼく”を説明する。

 

本人になりすまし、何食わぬ顔で過ごしてもらうためには全部伝えないといけない…自分自身をゼロから見つめなおす“ぼく”。趣味趣向、行動、癖、本人しか知らないことなどなど、一人としてまったく同じ人間はいなことに気づく“ぼく”。

 

 

 

ぼくのニセモノをつくるには 

ヨシタケシンスケ [asin:9784893095916]

 

内容がとてもシンプルで、さくさく読めますね。自分を説明すること、挙動や反応といった行動パターンの全てを伝えるは難しい。自分を複製することの難しさを考えさせられる奥深い絵本でした。

 


自分自身すら自分のことを全て把握(理解)していない。わかっていないことだらけで、とても面白い存在(あるがままでユニーク・個性的)。自己紹介で語られる部分は表向きの部分(表層)ですもんね。「全部を伝える」ために掘り下げるなんて考えたこともありませんでした。


そう考えると、“おでこタッチ(記憶のロード)”で簡単に情報共有(引き継ぐ)ができる『パーマン』の“コピーロボット”はとても便利な設定。でも、自我のあるコピーロボットが、たまに本人に対して反発(意見)するのは興味深い。同じ思考パターン&同じ記憶内容(経験値)であっても、自分と自分が会話できたとしても、考え方は食い違うものなのかもしれないですね。