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ぞうさんの歌の意味。誰もがオンリーワンで素晴らしい / まど・みちお―詩と童謡

 

ぞうさんの作詞家まどみちおさん。ご自身が書かれた歌詞について語られているくだり印象的でした。この歌に込められているメッセージは、誰もがオンリーワンで素晴らしいってことなのだと感じました。

 

 

まと・みちお自身は、「ぞうさん」について次のような自作解説をしている。


この世の中で一ばん鼻の長いのが象で、象のように鼻の長い動物は他にいません。バクが幾ら長いといってもゾウの比ではありません。この地球上の動物はみんな鼻は長くないのです。

そういう状況の中で「お前は鼻が長いね」と言われたとしたら、それは「お前は不具だね」と言われたように受けとるのが普通だと思います。しかるにこのゾウは、いかにも嬉しそうに「そうよ、母さんも長いのよ」と答えます。

長いねと言ってくれたのが嬉しくてたまらないかのように、褒められたかのように。

(中略)

このゾウがこのように答えることが出来たのはなぜかといえば、それはこの象がかねがねゾウとして生かされていることを素晴らしいことだと思い幸せに思い有難がっているからです。誇りに思っているからです。

 

 まど・みちお―詩と童謡

 

 

他者との違い。誰かとの比較は、劣等感やいじめられる要因になりやすい。でも、与えられた個性として誇りに思える豊かな心、自分は自分だと受け止められる価値観。他者からの評価(ものさし)に依存しないこと。あるがままに自立できる生き方に気づかせてくれる素敵な歌詞だったのですね。

 

まど・みちお―詩と童謡

作者: 谷悦子

 

そういえば、以前、放送されました「人志松本のすべらない話(2016年7月9日)」。童謡の「ぞうさん」が松本人志さんのトークで話題になってました。

 

「鼻が長いのね?」「そうよ、かあさんも長いのよ」という問いかけと返答は、誰と誰との間で行われた会話なのか。

 

ぞうさんの作詞家のお孫さんと知り合うことができたので、歌詞の意味をご本人様に聞けると思っていたら、作曲家の方だったというオチが面白かったですね。ちなみに、作曲家さんは團伊玖磨という方で、團遥香さんのおじいさまとのこと。