桃太郎なのに極悪非道でゲスの極み…芥川龍之介が書いたブラックな昔話?

 

 

読書絵本:桃太郎 MOMOTARO

 


あなたは知っていましたか?こんなワルい『桃太郎』が存在したことを。

 

『桃太郎 MOMOTARO』帯より

 

 

 

芥川龍之介さんが書いた昔話の“桃太郎”さん。性格が腹黒いダーティな桃太郎という設定が面白いです。それに、鬼たちはつつましく生きていて、仲間の酒呑童子が殺されたことで人間を恐れているという設定も興味深い。

 

 

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お爺さんとお婆さんがもてあます腕白坊主な桃太郎。野良仕事(山での芝刈り&川での洗濯)をさせられる居心地の悪さに鬼退治を決意する。老夫婦も厄介払いできると旅支度を手伝い、追い出すことに成功。

 


犬、猿、キジに対しては黍団子を一つ渡さず、半分にケチって強引に家来にさせるブラック企業ぶり。腹ペコで餓えた獣と化した家来たち、鬱憤の矛先は鬼たちへ。

 


平和に生きていた鬼たちの不意をつき、獰猛に襲い掛かって大量殺戮。桃太郎は、人質にした鬼の子に宝物を運ばせて凱旋する。これは、従来の桃太郎とはまるで真逆な残酷な物語ですね(鬼の立場が悪じゃない。勧善懲悪ではない顛末が斬新)。

 


でも、ここで「めでたしめでたし」と終わらず後日談。恨みを買った鬼たちから、復讐され続ける桃太郎一行(雉と猿は死亡)…優しかった鬼たちは、桃太郎のせいで狂気の存在に変わってしまうという悲しい結末。

 


ちなみに、桃太郎が生まれた桃の木は、その実に桃太郎以外にも赤子を孕んでいるという設定。次の桃太郎はいつ生まれるのか…といった余韻を残して物語は締めくくられています。とてもとても後味の悪い桃太郎。ただ、斬新かつ新鮮な内容(展開)ではありますね(^^;

 

 

 

 

桃太郎 MOMOTARO

著者(文): 芥川龍之介
作画(絵本):寺門孝之
出版社/メーカー: ピエ・ブックス
発売日: 2005/06/30
メディア: 単行本

ISBN-13: 978-4894444362