「意識の量」を増やせ!/齋藤孝

 

 

 

読書書籍:「意識の量」を増やせ! (光文社新書 522)

 

 

 

ゴルフの宮里藍選手は、数年前から「太極拳スイング」と名づけたトレーニング方法でスイングの調整をしている。

 

 

通常、スイングは三秒間くらいで最後まで振り切るわけだが、それをわざとゆっくりと、恐ろしいほどスピードを落として、一分くらいかけて振り切るという練習をする。

 

 

(中略)

 

 

一つひとつのポージングに対して、このときクラブヘッドはどこにあって、手首の角度はどうで、頭の位置は、目の位置は、腰は、足の重心は…と、からだの各部の動きを丁寧に意識することになる。

 

“「意識の量」を増やせ! (光文社新書 522)”より

 

 

 

ゆっ くりな動作で稽古(套路・型)を行う太極拳。スローモーションのように動くことで、無意識で行っていること(自然にできていること)を、一度、意識化(意 識下に置く)しているという話を聞いたことがあります。勢いや流れでフォームをごまかさず、動作のすべてを細分化して認識しているというお話でした。

 

 

指、 腕、肘、肩、背中、腰、足、膝、足先…すべてを空間の座標軸(XYZ)として設定し、その軌道を把握する。最初は一点、一点、個別バラバラに認識。一つの 点を理解したら、次の点へ。全部の点を把握したら、相互の位置関係(対極・太極)を感じるようになるまで意識(イメージ)を練り上げる。

 

 

それは、星空を天体観測して、宇宙を把握することに似ているそうです。夜空を見上げて一つの星に名前をつける(単体として認識する)。そして、星と星とを点で結んで星座(相対的に位置づけ・関連付け)を作る。

 

 

スポーツでも武術・武道でも大切なのは、どれだけ細かく分解して、自分の動きをコントロールできているかどうか。そのために、トレーニング(修業・練習)の過程で、意識できる範囲を増やし、そして、実戦(試合)では忘れる(無意識に戻す)。

 

 

どれだけ功夫(稽古による成果)を積んだかは、「時間をかけて、どれだけ自分を見つめられたか」ということらしいですね。けっして、単なる筋肉増強のためのトレーニング(反復)ではないそうです。

 

 

太極拳スイングを体験したプロゴルファーの石川遼選手の感想が興味深い…

 

 

 

あるテレビ番組で、宮里藍さんと石川遼選手が一緒にラウンドする企画があって、遼くんがその「太極拳スイング」をまねしてこう言った。

 

 

「見ているより実際にやったほうがきつい。筋肉の隅から隅まで刺激がいく感じ。頭のてっぺんから指先まで全身で集中していないとできない」

 

 

“「意識の量」を増やせ! (光文社新書 522)”より

 

 

 

石川遼さんは、既に細かい点を設定することができているから、全身で感じたことをコメントされているのだと感じました。普通は、足の筋肉が辛い、腰にくる、肩が痛い、腕がぷるぷるするといったパーツ事、とくに負担に感じていた部位の感想になりますよね。

 

 

 

「意識の量」を増やせ! (光文社新書 522)

 

作者: 齋藤孝
メーカー/出版社: 光文社
発売日: 2011/06/17

ISBN-13: 978-4334036256

 

 

もくじ


社会力は「意識の量」で決まる
仕事をするとはどういうことか
求められる人になる「意識増量」レッスン
他者を受け入れるレッスン
自意識の罠から逃れよ
「チーム・ジーニアス」の一員になる