サーストンの三原則が印象的。5つある奇術師の心構え(マジシャンの掟)の一つとのこと。三原則以外の4つも興味深い言葉ですが、とくに、手品の実演に関しての定義はサーストンの三原則がポイントのようです。
「サーストンの三原則」という言葉。名探偵コナンに登場した怪盗キッドとのマジック対決で紹介されていたので、気になっていました。
「1、種明しをしてはいけない。
2、演ずる前に何が起こるかを説明してはいけない。
3、同じ奇術を同時に二度繰りかえしてはいけない」
これは、ハワード・サーストンが公式化したのでサーストンの三原則といわれるが、証明不能の公理ではない。奇術は観客を楽しませるべきものであるという仮説から導かれる。
想定外であること、予想外であることが、マジックの隠し味。たとえ、同じ手品(現象)を二度行うとしても、手品の手法(トリック)を変えることで、お客さんを驚かせていますもんね。
マジシャンは、手品が失敗したときの保険(逃げ道)を用意しているという話を聞いたことがあります。ミスをした場合やトリックを見破られた場合に、ポーカーフェイスで冷静に別のルートで話を進めるというもの。これも、三原則の一つ「演ずる前に何が起こるかを説明してはいけない」があるからこそ成立するものなのだと納得。
そして、トリックの秘密は「シンプル・イズ・ベスト」…不思議なことは単純な技術で行うほど効果(驚き)が大きいという話も聞いたことがあります。なので、ネタばらししてしまうと、そのギャップ(落差)に「すごい」と思うよりも、「なんだ、そんなことなのか」というガッカリ感の方が強いとのこと。知らなければ何度も楽しめるものが、一度知ってしまうともう二度と楽しめない。演者の奇術師にとっても、会場のお客さんにとっても、良い結果にはならないそうですね。
気賀康夫 [asin:9784490202816]
もくじ
奇術の心
カード奇術に関する術語
数理的セルフ・ワーキング奇術
心理的セルフ・ワーキング奇術
ブレイク
グライド
うそのカット
うそのシャッフル
ロケーション
ショートカード
グリンプス
コントロール
フォース