『死に魅入られた人びと―ソ連崩壊と自殺者の記録/スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ,松本妙子』を読む

 

 

 

読書書籍:死に魅入られた人びと―ソ連崩壊と自殺者の記録

 

 

 

共産主義は無謀な計画をもっていました。私たち人間の改造です。人の本質を改造し、「古き」人間、古くさいアダムを作り変えようというのです。マルクス・ レーニン主義実験室(陸地の六分の一をしめる国)で作り出された「ホモ・ソヴィエチクス」という人間。そうです、それが私たちなのです。

 

“死に魅入られた人びと―ソ連崩壊と自殺者の記録”より

 

 

 

戦争体験を取材した作品が主のスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチさんですが、ソ連(ソビエト連邦)の崩壊で生きる気力を失った人たち、自殺を試みた人(自殺未遂)たち、自殺者の家族たちへのインタビュー集です。

 

 

国土は変わらないのに、国家が変わる。今まで信じていたものが嘘だった、間違いだったと気づかされたときの無力感・脱力感。とくに、87歳の方のお話を読んで、高齢者であればあるほど、積み重ねてきた年月は取り返しがつかないのだと感じました。

 

 

指導者を信じて祖国のために頑張ったこの方は、二度目の自殺で死亡。共産党員だったこの方の言葉…「私は兵士だった、私は一度ならず殺した。 私は殺した、信ずるままに、未来のために。過去を擁護するはめになろうとうは思いもよらなかった。わが老いた心臓をもって過去を閉じよう」が胸に刺さりま した。

 

 

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今までの母国(理想の国家?指導者?)が消失することで、心の支えを失う状況…国のために自分がしてきたことを、自分が自分に弁解(説明)しないといけないなんて。生きてきた証、時間、人生、すべてを否定されたのと同じなのだと痛感しました。

 

 

 

死に魅入られた人びと―ソ連崩壊と自殺者の記録

作者: スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ,松本妙子

出版社/メーカー: 群像社

発売日: 2005/06

メディア: 単行本

ISBN-13: 978-4905821298

 

 

 

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