『アフガン帰還兵の証言―封印された真実(原題:亜鉛の少年たち)/スヴェトラーナアレクシエーヴィッチ,三浦みどり』を読む

 

 

読書書籍:アフガン帰還兵の証言―封印された真実

 

 

 

本書の原題を直訳すれば「亜鉛の少年たち」となるが、「亜鉛の棺になった少年たち」といった方が作者が込めた意味に近いだろう。

 

一九七九年末にソ連軍が突然アフガニスタンに侵攻してから十年に渡って、ソ連の各地から毎年十万人もの少年たち(ソ連の徴兵年齢は十八歳)が 「国際主義の義務を果たすための兵員」としてアフガンに送り込まれ、その戦死者たちが亜鉛張りの封印した棺に納められて家族の元へ送り返されてきた。

 

“アフガン帰還兵の証言―封印された真実”より

 

 

 

 

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ(ノーベル文学賞受賞者)さんが三冊目に出版された著書です。内容は、アフガニスタン侵攻に従軍した人々、その家族の証言を集めまとめたもの。

 

 

亜鉛張りで封印された重い箱に納められた戦死者(少年兵)たち。アフガニスタンでの戦争の実態は、国民には知られてはいけない秘密事項(国家 機密?)だったそうです。運送中の棺をバールでこじ開け、中を見たドライバーたちが失神してしまうほどだったとか。そして、どこで亡くなったかの情報はお ろか、「戦死」という記録すら残してもらえなかったそうですね(「死亡」として処理)。

 

 

アレクシエーヴィッチさんの本を読むのは、これで三冊めですが、一冊、本を出版されるまでに、どれだけの悲しみ・苦しみを見聞きしているのか、想像もできないです。これだけ多くの人たちの感情を受け止めていたら、話を聞くだけでクタクタになって倒れてしまいそう。

 

 

そして、国(政府)が認めようとしない歴史の事実を記録に残してきたアレクシエーヴィッチさん。もっと知られて(読まれて)いても良いように感じました。ノーベル文学賞を受賞されなかったら、きっと読む機会には巡り会えませんでしたから。

 

 

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書籍は絶版で、古書(中古)しかないようなのですが、受賞をきっかけに再出版(文庫本化?)されると嬉しいですね。本屋さんの店頭に並んでほしい貴重な内容の本だと思います。

 

 

 

アフガン帰還兵の証言―封印された真実

著者: スヴェトラーナアレクシエーヴィッチ

訳者:三浦みどり

イラストレーション:長谷川たかこ

出版社/メーカー: 日本経済新聞社

発売日: 1995/10

メディア: 単行本

ISBN-13: 978-4532161750

 

 

もくじ


歴史はウソをつく―この本のための覚書
アフガン帰還兵の証言 I
アフガン帰還兵の証言 II
アフガン帰還兵の証言 III
本ができたあとの日記から
エピローグの代わりにもう一つ


 一つの絆―小さな乾燥 澤地久枝
 訳者あとがき

 

 

 

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